2013年4月7日日曜日

[イベント情報]COMIC1☆7・コミティア104 参加のお知らせ

翻訳チームの者です。

イベント参加のお知らせです。

ゴールデンウィーク中に開催される同人誌即売会に以下の通り参加します。
頒布物は昨年の冬コミと同様、イラスト本「Tomorrow/Today」です。
いずれも会場は東京ビッグサイトです。

4/28 COMIC 1☆7 スペース:そ02a (東5ホール)
5/5 コミティア104 スペース:ゆ28a(東6ホール)

冬コミに参加できなかった方も、よろしければこの機会に手にとっていただければと思います。

翻訳チームの者がスペースにおりますので、進捗などご質問があればお気軽にお声がけください。

よろしくお願いします。

2013年4月1日月曜日

かたわ少女2 開発中止のお知らせ


創造性について唯一不変といえるものとは、不変なことなど何もないということだ。私たちFour Leaf Studiosの誰もがそれをよく分かっている。かたわ少女の製作を通しても、私たちはプロジェクトの大きな構想について、そしてささいなディテールについても、何度も心変わりをしてきた。KSのリリース後、私たちは感情的にも、創造的にも、ついにやり遂げたという気分でいた。これ以上KSにとどまっていたいとは思わなかった。しかしこれからどこへ向かえばいいのか?
1年にわたる自己分析の結果、私たちはこの1年の間に有意義なことを何もしていなかったことに気づき、軽いパニックに陥った。そこにかたわ少女2が再浮上した。私たちは運命を受け入れ、それに向かって突き進むべきなのだろうか? 私たちにやる気はあるのか? もう一度新味のない設定で少年少女のドラマを書くことに戻って、創作意欲を見いだせるのか? 不毛な議論と、多くの煮え切らない意見の果てに、私たちは人類が知る最強の開発手段の使用を決断した--投票である。全員がKS2の開発に賛成か、反対かを投票する。そしてこの件について誰が何を言ったかに関わらず、その民主的な決定に従うのだ。

すべての票が『賛成』であったと分かったとき、きっとみんな驚愕しただろう! 私自身も信じられなかった。自分たちが定めた最大のルール、まさに不変と思っていたルールに対して、私たちはあっけなく心変わりをしてしまったのだ。かくして、そうなった。半分興奮し、半分恐怖しながら、私たちはKS2の製作に着手した。でもどうやって? それはどんなものになるのか? どんなものにすべきなのか?

それは失敗作になるだろう、ということがやがて明らかになった。

 
大勢の人の間に統一されたビジョンを見いだすのは困難だ。料理人とスープに関することわざは、ビジュアルノベルとその開発者にもそのまま当てはまる。KS2の全体的アプローチが最初の争点だった。私は、本質的に同じものを作るのでない限り、続編を作ることに意味はないと主張したが、deltaはその場でKSを最初から作り直すくらいなら次のオクトーバーフェストでミーシャのコスプレをするほうがましだから辞めてやる、と脅しをかけてきた。Surikoは頭をひねったつもりで、女の主人公とガールズラブ要素を盛り込むという妥協案を示したが、彼の下心は他の全員に見透かされていて、即座に却下された。とはいえ、誰も主人公としての久夫に思い入れがあったわけではなかった。5人のメンバーがそれぞれ独立に、久夫の非業の死を中心に展開するプロットを提案した。あいにく、誰もが久夫よりも嫌ったのはそのプロットの方だった。

 
ハイ・コンセプト的な方針をとった途端にバッドエンドを迎えたため(Silentcookは今の話題を考えれば完全にばかげていると評した)十分にしっかりした登場人物を導入できれば、物語が自然と進んでいくのではないか、と私たちは考えた。そういうことができるクリエイターがいる、と聞いたことがある。私たちについて言えば、膨大な量の萌え属性、フェティシズム、そして薄衣をまとった夢のガールフレンドはあっという間に手に負えなくなり、しかも誰もが自分の嗜好が最高だと言って一歩も譲らなかったので、合意に至るのは困難だった。議論はすぐに実際の企業内政治に似たようなものになり、メンバー同士がお互いのばかばかしいアイディアを支持するよう共謀し、中傷し、脱退すると脅しをかけ、果ては恐喝までする始末だった。


ビジュアルコンセプトもうまくいかなかった。KS1で余った未使用のキャラクターデザインが山ほどあり(そのうち半分は、開発者たちがこれといった理由もなく続編にねじ込もうと思っていたものだ)、アーティストたちは秀明や治五郎のような古典的なキャラクターの事実上の後継者を作れるチャンスに飛びついた。deltaはmoekkiがキャラクターデザインをすると聞いて辞めてやると言い出したが、私たちが彼女はkamifishの厳しい監督のもとで仕事をさせると念を押したところ、多少落ち着いてくれた。キャラクターデザインの工程は多くの怒りと恨みを引き起こし、ついには出来上がったデザインが一つ残らず却下される結果となった。先行きは明るくなかった。

 

最後の捨て身の切り札として、私たちはチーム常駐の最小公倍数であるclimaticを頼った。彼はKS本編に欠けている特定の『お約束』を補うファンディスクを作るべきだと提案した。これならもっとも幅広い客層へのアピールになる。そのコンセプトとはたとえば、海水浴イベント、プールイベント、温泉イベント、メイドカフェと化した上海、猫耳っ娘、犬耳っ娘、狐っ娘、バニーガール、羊っ娘、可愛いけどちょっとツンデレな妹キャラ、倒錯趣味でオタクの親友キャラ、ストーカーキャラ、ハーレムエンド、ハーレムエンド、ハーレムエンド、お化け屋敷、説明のつかない超能力、別の次元、メカ同士のバトル、魔法少女、ゾンビ、ファンタジーMMORPG、そしてピエロなどだった。

この豪華客船のような巨大プロジェクトには、比喩的な意味での氷山さえ必要なかった。自らの不可能性のために沈没してしまったのだ。残ったのは、何やかやの理由で却下された多くの、あるいは大量のコンセプト、たくさんの壊れた友情、そして私の人生で最悪の1ヶ月の記憶だ。かたわ少女の続編に値するビジョンを探そうと本当に最善を尽くしたものの、残念ながらかなうことはなかった。申し訳ない。

さて、ここからどこへ向かえばいい? 私たちはこれからKS2をまるまるすっ飛ばして、このままかたわ少女3を製作することに決定した。今の企画の進み具合からすると、さまざまな素晴らしい要素とストーリーを盛り込んだ、素晴らしいものになりそうだ。私たちはこのプロジェクトに本当に張り切って取り組んでいるし、自信を持っている。皆さんも同様だと願っている。その件についてはあと1年くらいで詳しくお知らせできる予定なので、お楽しみに。

- Aura

 (この記事は2013年4月1日に英語版開発ブログで公開されたものです)